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手紙
2012 / 04 / 27 ( Fri )



復職の件が残念な結果に終わってから、ヒカルは彼を見守った。
少しだけ、会わない日々を続けた。




仕事の方は気持ちをどう持って行ったか正直分からない。
だけど、彼のことだから、うまくやっているだろうと信じていた。
前向きに頑張っているだろうと。





彼はその件ではヒカルに弱音を吐かなかった。
だからヒカルは彼を信じることが出来た。
きっとうまくやっている、と。





そして土日を迎える金曜日の夜。
ヒカルは彼にメールを送った。
お休みは、有意義に過ごしてくださいね、と。






ゆっくり休んでね、とは言えなかった。
それはすごく小さなヒカルのプライド、そして抵抗。
おうちでゆっくりしてね、と言えるほど、私は大人ではない(苦笑)





そして迎えた月曜日、彼からの着信でヒカルは驚くような言葉を聞く。





「俺な、手紙を書くことにした。」




離婚の件について、家に手紙を書く、と言う。
それは考えた末の彼の決断だった。




面と向かって言うと、相手が感情的になって冷静に話なんて出来ない。
そして問題が泥沼となって長期化すること、それをいちばん恐れていた彼だった。





偶然、その夜は彼は一人だと言う。
だから、置手紙をしてそのまま翌朝仕事に行く、と言うのだ。

泊まりで出かけている家族は、翌日お昼に戻ることになっているらしい。
だから奥様がそれを読むのは、彼が仕事に行っている間のことになるだろう。





土日に何かあったのだろうか。
家庭でのことは分からないけど、
一歩を踏み出そうとする何かがあったのかも知れない。
私には知る由もないことではあるけれど...





衝撃のまま何も言えずに電話を終えて、その話のことを考えた。
そしてこんな考えも頭をよぎった。





突然そんな手紙を受け取ったら、読む側としては当然、
反省してやり直そうとするだろう。
そうしたとき、彼はどうするつもりなのだろうか...






やはり、やり直そうとするのだろう。
当然だ、そしてそれが正しい道だ。
ヒカルはただそれを考えていた。





そしてただ、自分の「心のあり方」を決めたくて、彼にそれを聞いた。

もし相手がやり直そうと言ったらどうするか?






質問メールのその返事は、いくら待っても来なかった。
もしかして、この行動自体本当ではなくて、
「いちおうは行動した」と言うヒカルに対する
言い訳のためにしてるだけかも、と疑念さえ上がったとき、






彼の返事が届いた。






『断っておきますが、やり直すことを前提として書くのではありません。
何度も言っていますよね。
感情的になり長引くのは避けたいので考えてのことです。
気になるのは分かりますがそんなに信じられませんか?』







ヒカルは彼を信じていないのではない。
この件については、彼を信じることが正しいとは思っていないのだ。
複雑に聞こえるかも知れないけれど、二人の未来を想ってはいけない関係だから。







ただ、そのとき彼がどうするか、それを聞いて心構えをしたかった。
ヒカルの中では、やはりどこかで、やり直すのが当然、と思っていたから。






だから、素直にそう返信した。
読む側からすればやり直そうと思うのが普通だと思う、
ただそうしたときにあなたがどう対応するかを知りたかった、と。







そして、彼の返事は胸に重たく響くものだった。
それは短く強い、一言。







『何度も言いますが方向性は変えません。』






その言葉に、ヒカルは彼の強い思いと重い覚悟を見た...






そこまで言われては、もう、覚悟を決めるしかない。
どうなっても、頑固な彼は確かに自分が言ったとおりにしようとするだろう。






この彼の思いと覚悟から逃れられないのは、ヒカルの方なのかも知れない。



















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